アジア・アニメーション教育ネットワーク
Asian Animation Education Network (AAEN)
アジア・アニメーション教育ネットワーク(略称AAEN)は、日中韓とASEANのアニメーション教育機関が連携し、アジア全体のアニメーション教育・研究プラットフォームを共に構築し、次世代のための人材育成、技術の継承、研究・開発、アーカイブ等保存事業などを行う目的で提唱されました。それによりアジアのアニメやゲーム文化圏と経済圏がより活性化し、発展することを目指しています。
1. 目的と概要
アニメーション文化は今や全世界的な広がりを見せ、東アジアやASEAN諸国でもアニメが非常に普及しています。しかし一方で、これらを支える人材の教育やこれらの文化を後世に伝えていくための研究などを見てみると、アニメーション専門の教育課程を持つ大学は非常に少なく、さらには実技を行う大学院課程を保有する大学はASEAN諸国では皆無です。また研究環境も十分ではありません。
これまで、日本のアニメは 韓国をはじめアジア各国のプロダクションの力を借りて成長してきました。また、アジアの人々もアニメ文化を許容し、各国でも独自のアニメカルチャーを創り出しています。ある意味、日本アニメはアジア発のアニメと言っても過言ではありません。今後は、このアニメーション文化・産業を、アジアの各国が共に創り、共に発展させていくために、日中韓およびタイ、ラオス、インドネシア、シンガポール他、ASEAN各国の大学がネットワークを作り、教育カリキュラムの構築や、様々な交流プログラムの実施、知見の共有などを通して、アニメーション教育・研究の共同プラットフォームを構築していくことを目指したいと思います。それにより、将来のアジアのアニメーション文化・産業を担う人材を育成し、新たな表現や技術を開発し、アニメーションを中心としたアジア文化・経済圏の更なる発展に貢献することを目指しています。
2. AAENの活動
①AAENカリキュラムの開発について
AAENでは、参加大学の学生が受講できる「大学院向け」と「学部向け」の2つのカリキュラムを実施していきます。
〈大学院向けカリキュラム〉については、これまでキャンパスアジア事業で行ってきた大学院生によるアニメーション国際共同制作(Co-work)を継続して実施します。
〈学部向けカリキュラム〉としては、オンラインによるレクチャーやワークショップ等を開催し、順次拡大を目指していきます。
②知見の共有としてのシンポジウム
年に1回、Co-workの成果発表や各ワークショップ報告や研究成果発表などを兼ねたシンポジウムをAAEN参加大学間で開催し、カリキュラムを通じて得られた知見を共有し、参加校全体の啓蒙と教育のレベルアップを図ることを目指します。
③様々な交流プログラム
参加校間では短期、中期の様々な交流プログラムを実施し、教員や学生間の交流を促進していきたいと考えています。
3. AAENで養成する人材像
- 国際的な視野を持ち、深い知識と高い技術を、世界の課題解決のための国際協働の場で活かせる人材
- 映像分野におけるグローバル化を先導する人材
- アニメーション分野において国際共同制作や共同研究を牽引する人材
これらは、産業界も目的を一(いつ)にするものであり、産業界ともタッグを組んで若者の人材育成を行っていきたいと思います。