祖国を離れて日本でアニメーションを学ぶ留学生たち。その心に映った風景は、祖国、日本、そして今の自分を表現している。
なぜ彼らはその風景を切り取ったのか?離れた異国で感じる祖国への想いとアイデンティティとは?留学生を中心としたアニメーション専攻の学生と、アジア地域研究のコメンテーターたちによる、作品上映&トークを行うイベントを行った。
この会では使用言語を日本語とした。視聴は東京藝術大学所属者のみとし、当日は30名の参加があった。
2022年1月25日(火)17:00〜19:00
ZOOMウェビナー
東京藝術大学所属者のみ
岡本 美津子(東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻)
マリオ・ロペズ氏(京都大学東南アジア地域研究研究所)
カール・イアン・チェン・チュア氏(アテネオ・デ・マニラ大学社会学部)
はじめに、ゲストの紹介がなされた。
マリオ・ロペズ氏の専門は人類学、カール・イアン・チェン・チュア氏の専門は歴史学で、岡本教授からは両氏の専門的視点から作品の評価をして欲しい旨の説明がなされた。
講評はそれぞれの作品の上映後、作者とコメンテーターとで意見を述べ合う形で進行された。
ゲストの両氏からは示唆に富んだ意見が述べられ、作者たちは普段持っていない視点からの意見に感銘を受けた様子だった。
全ての作品の講評後、ロペズ氏から学生たちへ、「これからも継続的に作品を作り続けて欲しい」というメッセージが述べられ、チュア氏からは、「これから社会の中で仕事をしていくと、自分らしさを失っていってしまうことが多いため、それを失わないためにも積極的に作品を制作して欲しい」というメッセージが述べられた。
岡本教授は最後に、留学生作品だけを集めてキュレーションをした今回のイベントを振り返り、留学生たちの感じている特有の「寂しさ」は自分自身と向き合うことに繋がり、それが作品を作る原動力となっていることを見出し、独特のムードを作り出していることを指摘し、今後の作品への期待を述べることで結びとした。