日中韓の学生によるアニメーション共同制作Co-workは2016年に文部科学省「大学の世界展開力事業(アジア諸国等との大学間交流の枠組み強化)」通称キャンパス・アジアに採択され、その5年間の採択期間を終え、2021年からは次のモードであるキャンパス・アジアプラスへシフトした。これからのCo-workおよびアジア間の高等教育共同プログラムをさらに発展させる方法を探るべく、東京藝術大学主催、シラパコーン大学(タイ)との共同運営で、連携校と協力校のゲスト、学生を招いた合同イベントを開催した。聴講は一般にも開かれ無料であったが、会場では約60名の参加があった。
2024年1月21日(日)
5th Floor Screening Room, Faculty of Music, Silpakorn University
英語
対面
10:00〜 | 各校教員挨拶 |
---|---|
10:10〜 |
パート1『Co-work: Pandemic and Post-Pandemic』 登壇:Co-work2022、2023参加学生 |
11:00〜 |
パート2『AAEN Student Works』 韓国芸術綜合学校(K'ARTS)作品上映&プレゼンテーション 中国電媒大学(CUC)作品上映&プレゼンテーション |
12:30〜 | 昼食休憩 |
13:30〜 |
パート2『AAEN Student Works』 東京藝術大学(Tokyo Geidai)作品上映&プレゼンテーション シラパコーン大学(SU)作品上映&プレゼンテーション |
15:30〜 |
パート3『The Latest in Asian Animation Education』 セミナータイトル: 「学校教育におけるアニメーションのプリプロダクション」Chanisa Changadvech (SU) 「コンセプト・アートの教育とプロフェッショナル・キャリア」Vorrarit Pornkerd (SU) 「東京藝大学生による手描き360度画像とビデオプロジェクト」牧 奈歩美(東京藝術大学) 「空間物語要素としてのアニメーション -都市夜間散歩における光景デザインの実践的探求」Yichen Jiang (CUC) 「グローバル文化コンテンツ共育プログラムの開発」Eunyoung Jang、Sang-a Oh (K'ARTS) 「ラオスアニメーションの発展」Souliya Phoumivong (NIFA) |
17:00〜 | 締めの言葉 |
18:00〜 | レセプションパーティ |
パート1『Co-work: Pandemic and Post-Pandemic』では、新型コロナウィルスの流行によりオンライン開催を余儀なくされたCo-work 2022と、それを乗り越えて対面開催を実現したCo-work 2023の成果発表が行われた。Co-work 2022および2023の完成作品が上映され、各チームの学生によるプレゼンテーションが行われ、コンセプトや制作プロセス、参加しての感想や意見などが共有された。シラパコーン大学装飾美術学部学部長のThanatorn Jiarakun氏からも成果を評価するコメントが寄せられた。
パート2『AAEN Student Works』では、AAEN(Asian Animation Education Network)連携校である「東京藝術大学」「韓国芸術綜合学校」「中国電媒大学」「シラパコーン大学」の学生作品の上映、およびプレゼンテーションがなされた。アニメーション作品のみならずイラストレーションや漫画作品、アニメーションやゲームのためのコンセプトデザインのプレゼンテーションなどが行われ、デジタルメディア作品における各国の文化に根ざした表現の違いや共通点、各学校の指導方針の違いなどを垣間見ることができた。
パート3『The Latest in Asian Animation Education』では、連携校と協力校の5つの教育機関から、アジアでのアニメーション教育に関する取り組みの紹介がなされ、その成果の報告や知見の共有がなされた。「学校教育におけるアニメーションのプリプロダクション」と題し、SUのChanisa Changadvech教授は、装飾美術学部ビジュアルコミュニケーション学科のカリキュラムの紹介を行った。「コンセプト・アートの教育とプロフェッショナル・キャリア」と題し、SUの特別教授でありバンコクにあるアニメーションスタジオのRiff Animation StudioプロデューサーのVorrarit Pornkerd氏は、自身のアニメーションスタジオでの経験と大学での授業課題の共有を行い、タイでのプロフェッショナルキャリア形成のプロセスを共有した。「東京藝大学生による手描き360度画像・動画プロジェクト」と題し、東京藝術大学の牧教授は、手描き手法で制作された360度画像・動画の学生課題を共有し、アニメーション制作において独自の表現を持っている学生の別メディアへの発展の可能性を示した。「空間物語要素としてのアニメーション -都市夜間散歩における光景デザインの実践的探求」と題し、CUCのYichen Jiang講師は、自身の行なっているCUCでのアニメーション課題を紹介し、ユニークなアプローチを示した。「グローバル文化コンテンツ共育プログラムの開発」と題し、K'ARTSのEunyoung Jang講師とSang-a Oh講師は、K'ARTSが取り組んでいるキャンパス・アジアプラスの取り組みの全体像を示した。「ラオスアニメーションの発展」と題し、NIFAのSouliya Phoumivong教授は昨年度行なったラオスアニメーションの始まりの話から最新のアニメーション作品の成果を報告した。
『AAEN 2024 in Bangkok』に関連し、AAENの輪を広げるべく、今回のタイ滞在中に以下の交流・視察を行なった。
10:00〜 | ランシット大学との交流上映会・ディスカッション |
---|---|
14:00〜 | Riff Animation Studio見学、視察 |
16:00〜 | チェンマイ大学美術学部、アート・メディア・テクノロジー学部見学、交流 |
---|