2025年10月13日から27日にかけて、中国伝媒大学が「Korea–Japan–Thailand Tri-National Creation Workshop 2025」を開催した。本ワークショップは「Classic Beijing, New Beijing」をテーマに、歴史と現代が共存する都市・北京を舞台に実施された。
参加者は、伝統的な建築や文化を色濃く残す「老北京」と、現代的な都市機能や創造の拠点として発展する「新北京」を訪れ、それぞれの視点でその姿を観察・体験した。
こうした体験をもとに、各自の着想を深め、最終的にはデジタルメディアによる作品として結実させることを目指した。
韓国芸術綜合学校、タイ・キングモンクット工科大学トンブリー校、シラパコーン大学、および東京藝術大学から学生と教員が招かれ、それぞれが個人またはチームで自由な制作プロジェクトに取り組んだ。
2025年10月13日(月)〜27日(月)
藝大からは教員一名がワークショップに参加した。
本ワークショップでは、「Classic Beijing, New Beijing」をテーマに、参加者たちは北京市内の多様な場所を巡りながら、リサーチと制作を並行して行った。故宮博物院や胡同、万里の長城といった伝統的景観に加え、798芸術区などの現代的な施設を訪れる中で、参加者は多様な視点から北京という都市を捉える体験を重ねた。参加者はそれぞれ異なる関心や視点をもって現地を観察し、スケッチや写真、サウンドレコーディング等の収集を通して、個々の創作の糧となる体験を積み重ねていった。
加えて、北京市の都市変遷や文化的背景について深い理解を促すため、以下の2つの講義が提供された:
寧石(Ning Shi)氏による講義「The Beijing Central Axis and Its Associated Culture」では、北京の南北に走る中軸線について、歴史・文化・建築・都市計画・天文学など多角的な観点から解説が行われた。中国伝統の「中心性」の概念が古代都市の構造にどのように反映されてきたかを示し、「中軸線」は単なる都市空間上の線ではなく、政治的・文化的秩序を視覚的に象徴する存在として、都市の成り立ちを理解する鍵であることが強調された。
周宇紀(Zhou Yuji)教授による講義「New Beijing: Beyond the Forbidden City – The Transformation of the Capital in the 21st Century」では、2008年の北京オリンピックや首都機能の再配置をはじめとする都市再開発の動向を通じて、21世紀の北京がいかに伝統的枠組みを踏まえつつも、グローバル都市へと変貌しているかが語られた。
これらの講義は、現地体験とはまた異なる角度から北京という都市の背景に光を当て、参加者の理解を一層豊かなものとした。講義内容の充実ぶりは各国の教員からも高く評価され、今後の自国でのプログラム実施に向けたヒントとして共有された。
ワークショップの成果物として、各参加者が自身のリサーチや体験をもとに、短い期間ながらも質の高い作品を制作した。表現手法はアニメーション、デジタルZine、ポスター、ゲーム、モーショングラフィック、ビデオアート、スケッチと詩と多岐にわたった。アニメーション背景に生成AIを活用した作品も見られた。
作者:Sungha Hwang, Sujin Oh (K'ARTS)
作品形式:アニメーション
作者:Piyatida Kaewkoon, Chalisa Thongrueangsuksai, Thunjira Tantiwattanasap (KMUTT)
作品形式:アニメーション
作者:Chompoonik Pakdee, Chatchaya Sritanatam, Intthima Huajai (KMUTT)
作品形式:デジタルZine
作者:Duangdao Tulaphitak (KMUTT)
作品形式:デジタルアート(モーショングラフィック)
作者:Chompoonik Pakdee (KMUTT)
作品形式:ポスター
作者:Chompoonik Pakdee (KMUTT)
作品形式:ポスター
作者:Martsamrit Pasupa (KMUTT)
作品形式:ビデオアート
作者:Worawattana Intachai (SU)
作品形式:アニメーション
作者:Tanchanok Chankhaoropkhun (SU)
作品形式:アニメーション
作者:Panuphong Yodauea (SU)
作品形式:アニメーション
作者:Mutita Pholsena (SU)
作品形式:ゲームデモ
作者:齊藤光平 (TUA)
作品形式:スケッチと詩
都市見学と講義の様子
発表の様子
藝大から参加した齊藤は、スケッチと詩が並んだ15組の作品を制作した。